2015-10-01から1ヶ月間の記事一覧

臆病者のための億万長者入門 橘玲

橘玲の本は、何冊か読んでいる。 お金に関したものが多いが、読むと作者独特の言い方に引かれる。この本でもそんな作者の言い方は健在である。 たとえば、「宝くじは、愚か者に課せられた税金」とか「不幸の宝くじ、生命保険」とか。宝くじを金融商品として…

今古探偵十話 岡本綺堂

岡本綺堂は、好きな作家で半七捕物帳はよく読んでいる。 推理ものとしては偶然性に頼り、どうかと思う部分はあるが、江戸情緒は、昨今の時代物では、味わえないもので、当時の雰囲気が出ているので、何度も読んでしまう。 さて、今回は、そんな岡本綺堂の探…

朝鮮戦争論 忘れられたジェノサイド ブルース・カミングス

朝鮮戦争に関して書かれた本はいろいろあるが、アメリカ人によって書かれたアメリカ人のための本だと序で著者は語っている。 朝鮮戦争は、第二次世界大戦やその後のベトナム戦争に比べても印象が薄くて、アメリカ人にとっては、忘れられた戦争だと思われてい…

皇帝フリードリッヒ二世の生涯 塩野七生

塩野七生の本は大体読んできた。 あの長い「ローマ人の物語」全15巻も読んだ。なぜ読み続けてきたかと言えば、自分の歴史好きということが一番大きいだろう。普段は、日本史の本を読むことが多いが、彼女の著作は、見知らぬ国の歴史を書いたものでも何か違…

落花は枝に還らずとも 会津藩士・秋月悌次郎 中村彰彦

秋月悌次郎といってもほとんど知られていないのではないか。私も以前大河ドラマを見て、司馬遼太郎の歴史エッセイの中で取り上げられていたのをどうにか思い出したくらいだ。幕末には、いろいろな有名人がいるが、会津藩というと藩主の松平容保が一番知られ…

ビブリア古書堂の事件手帖5 栞子さんと繋がりの時 三上 延

最初にこのシリーズの第1作を読んだときには、古書をめぐる謎解きということですごく新鮮だったことを覚えている。 ミステリーというと殺人事件が起きなくてはいけないというイメージを持っていたので、古書を題材にした、殺人事件の起きないミステリーとい…

実践 日本人の英語 マーク・ピーターセン

英語の学習は、日本人にとっては、永遠の課題のようである。 英会話学校の看板は、どこに行っても目に付くし、相変わらず、英語が話せるとカッコいいと思っている日本人は、多い。その割には、英語のうまい日本人は、以前と比べて多くなったとは思えない。 …

刑務所わず 堀江貴文

獄中ものである。 獄中ものは、好きで佐藤優や山本譲治のものも読んだことがある。子供のころには、モンテクリスト伯が面白かった記憶がある。 なぜ獄中ものに惹かれるのだろうか。絶対に自分が体験することのない世界を垣間見ることができるのが、その理由…

虚像の道化師 ガリレオ7 東野圭吾

ガリレオシリーズの短編集である。 テレビでも小説でも楽しんでいる。今回のシリーズを読んでいて、以前放映していたのと内容が同じだと気がついた。ただテレビと小説とは内容が多少違うのはやむをえない。小説とテレビとは違うものだと思っているので、それ…

小栗上野介忠順と幕末維新 「小栗日記」を読む 高橋敏

小栗上野介といえば幕末時において、幕府の主戦派として、有名である。 勝海舟などの恭順派からは嫌われていたが、横須賀造船所創設を決意したり、幕府を最後まで支えようという姿は評価されている。 彼の成し遂げたものが維新後に明治政府の発展に役立った…

持たない暮らし 金子由紀子 

いつの間にか部屋の中に物があふれる生活を送っていると、いつかは捨てなくてはと思うのだが、なかなか捨てられないのが現実である。 そんな中、いろいろな「捨てる」ことのアドバイスの本があるが、これもその中の一冊である。確かに読んでみると、なるほど…

江戸300年「普通の武士」はこう生きた 八幡和郎 臼井嘉法

武士というと特別の倫理観を持った人間のように思われるが、小説等で描かれる武士は、特別な存在であろう。 実際の武士は、やはり現代人と同じ生身の人間だったことは、間違いない。 小説やドラマで描かれる武士像は、ある意味では、ファンタジーの主人公で…

もう一つの維新史ー長崎・大村藩の場合ー 外山幹夫

幕末期の諸藩の動きというのは、いろいろ興味深いが、この本の舞台になった大村藩は、よくドラマや映画の幕末ものに出てくる薩摩藩、長州藩に比べるとなじみがないものでしょう。だが、この本によると尊王派と佐幕派との争いが大村という2万7千石の小藩を…

三屋清左衛門残日録 藤沢周平

以前、ヤフーブログで読書日記を書いていたが、中断したままになっていた。 いつか再開したいと思っていたが、今回、はてなブログで再開することができた。 まずは、時代物の古典の三屋清左衛門残日録から。 時代小説の主人公には、なかなか老人はなりにくい…