時代小説

遊郭医光蘭闇捌き1 土橋章宏

暗い過去を持ち、医者をしている主人公が、吉原界隈で起きる事件解決を手伝うという物語だ。 何かテレビでやっていた必殺仕事人的な物語である。そういう意味では、既視感のあるものなので、あまり新鮮味を感じられないかもしれない。 だが、結構物語の展開…

潮鳴り 葉室麟

葉室麟の小説を読むのは、初めてである。九州の小藩の藩士の物語である。藩校でも優秀で剣の腕にも優れていたが、勘定方に勤めていたときに仕事のことでしくじり、弟に家督を譲り、漁師小屋に寝泊りするまでに落ちぶれてしまった男の話である。結果はハッピ…

落花は枝に還らずとも 会津藩士・秋月悌次郎 中村彰彦

秋月悌次郎といってもほとんど知られていないのではないか。私も以前大河ドラマを見て、司馬遼太郎の歴史エッセイの中で取り上げられていたのをどうにか思い出したくらいだ。幕末には、いろいろな有名人がいるが、会津藩というと藩主の松平容保が一番知られ…

三屋清左衛門残日録 藤沢周平

以前、ヤフーブログで読書日記を書いていたが、中断したままになっていた。 いつか再開したいと思っていたが、今回、はてなブログで再開することができた。 まずは、時代物の古典の三屋清左衛門残日録から。 時代小説の主人公には、なかなか老人はなりにくい…