2015-12-01から1ヶ月間の記事一覧

坂本龍馬の「私の履歴書」 八幡和郎

坂本龍馬といえば、幕末でももっとも有名な人物のひとりである。 いろいろな本が書かれているが、この本は、この虚像の多い人物の実像に迫ったものである。履歴書風に年代に沿って、真実の龍馬を確実な資料で追っていったものである。ただ、龍馬英雄史観に反…

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 村上春樹

村上春樹の一番新しい長編である。もう二年近く前に出版されているが、図書館の予約の順番を待っていたので、こんな時期になってしまったのだ。 読んでみると相変わらず、面白い。一晩で一気に読んでしまった。高校時代の四人の友人から付き合いを断られた理…

女のいない男たち 村上春樹

東京奇譚集以来の短編集である。 珍しく書いてある「まえがき」をみるとビートルズのサージェントペパーやビーチボーイズのペットサウンドのようなコンセプトアルバムを念頭に置いたとあった。だから「ドライブ・マイ・カー」とか「イエスターデイ」といった…

遊郭医光蘭闇捌き1 土橋章宏

暗い過去を持ち、医者をしている主人公が、吉原界隈で起きる事件解決を手伝うという物語だ。 何かテレビでやっていた必殺仕事人的な物語である。そういう意味では、既視感のあるものなので、あまり新鮮味を感じられないかもしれない。 だが、結構物語の展開…