実践 日本人の英語 マーク・ピーターセン
英語の学習は、日本人にとっては、永遠の課題のようである。
英会話学校の看板は、どこに行っても目に付くし、相変わらず、英語が話せるとカッコいいと思っている日本人は、多い。
その割には、英語のうまい日本人は、以前と比べて多くなったとは思えない。
そんな中、「実践 日本人の英語」を読んだ。
マーク・ピターセンの本は、これが最初ではない。
「日本人の英語」が最初である。
そのときは、月並みな言い方だが、目からうろこが落ちた気がした。
一つ一つにエピソードが新鮮だったのだ。
それに著者の日本語が実にうまい。
今回の本も、そんな著者の本で、最初の本を読んだときの新鮮さを感じた。
最初のエピソードは、MY FRIEND 問題である。
日本人が何気なく使ってしまう表現に日本人の英語の問題点があるのだ。
「わたしは、春休みに友人といっしょにタイに行きました」
という文を訳そうとすると、以下のような文章になる人が多いだろう。
In spring vacation, I went to Thailand with my friend
これが、英語を母語とする人間には、
「わたしは、たったひとりしかしない私の友人といっしょにタイに行きました」
としか読めないのだ。
多くの場合、これや訳者の本意でないだろう。
友達が一人しかいないというのは、さびしすぎる。
In spring vacation, I went to Thailand with a friend (of mine)[one of my friends]
が正しいのだが、同じ間違いをしてしまう日本人は多い。
著者は、そんな間違いについて、わかりやすい日本語で説明してくれる。
なるほどと思って、納得させられる。
ほかにもいくつかの面白いエピソードがあり、英語と日本語との溝はこんなにも深かったのかと再認識させられる。
今、私は英語を使うことはほとんどないが、英語には興味を持っているので、多くの日本人と同じように同じ間違いをまたしてしまうと思いつつ、この本を読んだ。